NY問題








今日のテーマはNY問題だ。ニューヨーク問題ではない。とても重要なことなもんで。

しつこくてすみません。前回のバカ野郎遭遇のつづきになります。正直なところ、何にオコだったかっていうと、あたしのヒップは流血するくらい強打して悶絶しながら海面に上がったのに、「大丈夫?」のひとこともなく、開口一番「板壊れた。修理代よこせ」と言い放ったその空氣の読めてなさっぷりにオコだった。ここで性差について議論するつもりはございませんが、わたしが逆の立場で、一応メスに見える人間とぶつかったら、とりあえず「大丈夫?!」って聞くわ。ほんとしょうもねえ輩だった。

サーフィン中にどうしても避けられない事故はつきものだ。なぜか絶対回避不能になることがある。乗ってる方もパドルアウトしてる方もどうしようもないヤツだ。でも、それ以外は避けられる。確実に避けられる。どうすりゃ避けられるかって、全速力で逃げればいいというもんではない。波が読めていれば9割がた避けられる問題なのだ。

そうなんだ。何が問題って、空氣読めてないのは最大の問題だが、波が読めてないのが問題なんだ。NYだ。波読めてない。だ。

波が読めてないといろいろ面倒なことが起きる。
■邪魔な場所で波待ちしてしまう
■事故率上がる
■つねにブっ刺さる
■まっすぐしか行けない。横に行けない
■逆走してしまう
etc…

そして最大の問題は、自分は波が読めてるかどうかさえ分かってないことが多いことだ。もちろんわたしもそうだった。ハワイでサーフィンはじめた当初、グーフィーフッターなのに、左に行ける波が見えないから右しか行けなかった。バックサイドしか行けなかった。みんな左に行くけど、わたしにはどの波が左行きなのかわからないんだ。

波がどのようにブレイクするかは進んでくる角度と海底の地形、波のサイズなどに左右される。地形が安定しているリーフブレイクは、波が入ってくる方角によってだいたい同じところでブレイクするので比較的波が読みやすい。一方地形がつねに変化するビーチブレイクはむずかしい。たしかにむずかしい。が、波が読めなければぜったいサーフィンは上手くならないし、とにかく危ない。読めるようにならなければならないのだ。

こんな状況で、自分がパドルアウトしていたなら、どこを通るかを瞬時に判断できるかどうかってハナシだ。

自分が波を読めてるかどうかの判断は、パーリング率でわかるハズだ。パーリングしまくる、もしくは横に行ける波に乗れないなら、NY認定だw。波は読めてない。つねに誰かの邪魔してしまう人もNYだろう。

わたしは人が多いときの海では、波に乗ることより、乗った後、いかに波に乗るサーファーの邪魔をせずに、事故を起こさずに沖に戻るかの方が神経使う。沖へパドルしはじめる瞬間からその分析は始まる。波はどこでブレイクしているのか。乗れているサーファーは誰なのか。どのコースを戻れば一番安全に戻れるか。そして戻る途中にセットがやってきて、目の前で数人のサーファーがテイクオフを試みているような状態では、一瞬でどのコースを取るかを判断しなければならない。その波は右にブレイクするのか。左にブレイクするのか、もしくは両方向に行けるのか。どのサーファーに優先権がありそうなのか。優先権のありそうなサーファーの邪魔をしないためには、どの位置を通っていけばいいのか。

昨今の混雑した海では、事故やケガをしないためにどんな行動を取るべきか、その瞬間瞬間で判断しなければならないことがとても多い。いや、だから、サーフィンは多少頭脳明晰でなければできない。瞬時の判断力がないとサーフィンなんてできない。避け方が分からないなら、混雑した海には入らない勇氣も必要だったりするし、もちろん波が読めても、事故回避のためにはどんないい波だって乗らない選択肢も必要だ。波がどのようにブレイクするかが読めなければ、乗ってくるサーファーが技をかけられそうな場所目がけてパドルしてしまったり、スープ側にパドルすべきところを、喰らいたくないからって、ショルダー側にパドルしてライディングの邪魔してしまったりする。

ま、とにかく、わたしはケガしたくないだけなんだ。波読む特訓してくれたまへ。波が読めるようになるといい波にのれる確率が急上昇する。わたしのヒップは流血青タンなうですがね。