ちょっと前に、「神々の山嶺」という映画を見たんですよ。エベレストに初登頂したのはほんとはジョージ・マロリーというイギリス登山家だったのではないかという、今でも登山家の間で議論される謎を追いかけて、主人公が無酸素単独エベレスト登頂を目指す映画なのですが、エ、エベレスト、や、やばくね?垂直の氷の壁をほんまにあんなふうに登ってくの?!ってなって、エベレスト登山について、暇に任せてすごい勢いで調べ始めたんですね。そしたらもう今、6000〜8000メートルの山を登るアルピニストたちの凄すぎる世界にどハマってしまいまして、ずーっとドキュメンタリー見たり本読んだりしてます。
いつだかのサーフィンを賞賛した私のブログに、「サーフィンを美化しすぎてると思う。自然と向き合う人はみんなすごいんだ。」というようなコメントをいただいたことがあります。たしかにそうだよな。山登る人たちもすごいはずだとは思ったんだけど、わたしはサーフィンの世界しか知らないから比較しようもなかった。山をほんのひとかじりした今、海も山も、なぜに命かけてまで向かおうとする人がいるんだろうって疑問が出てきただけ。

どーゆーこと!!
私が見たエクストリーム登山(勝手に命名)の世界
低酸素と恐ろしすぎる高山病
まずはなにより酸素がないと人間はマジで生きられないってこと。当然なんだけど、普段酸素足りないことなんかないから分からないじゃん。6000メートルで地上の約半分、8000メートルになると三分の一。酸素が足りない、つまり高山病で動悸息切れは当然なんだけど、強烈な頭痛、嘔吐、異常な疲労感、不眠、食欲低下などが起きる。なにより危険なのが判断力の低下。酸素が足りない=危険なのはわかっているはずなのに、判断力の低下によって死亡事故が多発する。さらに進んでしまうと、即下山しないと死に至る高所脳浮腫(HACE)や高所肺水腫(HAPE)などになっていく。高度順応
一気に駆け上がると100%前述の高山病になるので、何週間もかけて体を慣らしてく。エベレストなど8000メートル級の山になると、順応に1ヶ月以上かける。ベースキャンプ(BC)から高度を少しずつ上げて、6000メートルまで行ったら1泊してBCに戻る、つぎに7000メートルあたりまで行って1泊してはBCに戻る的なことを繰り返して、じょじょに順応させて、やっとサミットプッシュ、頂上に向けて数日で上がる。んだけど、これも天候次第で頂上アタック可能なのは数日。逃すと数週間待ち、または撤退!7000メートルという高度でマイナス何十度の極寒の中、酸素不足で体力もないのに食べられないし眠れもしないという超過酷な状況からの頂上アタック。1996年、登頂中の大嵐で日本人の女性登山家難波康子さんを含む8人が死亡する事故が有名。これもエベレストって映画になってるから見てみて。ただの嵐じゃない。秒速30メートルとかの暴力的な風と雪。生きて帰った人も手や鼻もげてた。高い
高度が。じゃなくて、費用が。エベレストだと1000万円。他の8000メートル級の山でも500-800万。時間もお金もかかりすぎる。だからこそ、今やめたら全部ムダになる。ってムリして登って事故るケースが多いんじゃないかと思う。じっさいに1996年の事故では、何人も登頂させてきた一流ガイドの”登頂させてあげたい”という思いが事故につながった。さらに酸素不足の判断力低下が加わって事故多発。大荷物!
荷物が多い。多すぎる!そりゃひと月以上山で暮らすわけで、食事、燃料、寝具、テント、酸素ボンベなど、8000メートル級の山になると一人60-100キロの荷物になる。これをシェルパやヤクが分担して背負う。グループ全体になるとトン単位!にもなる。意味不明。ゴミと死体
で、その大荷物の多くがゴミとなるそうで。大量の空の酸素ボンベ、テント、ロープなどの登山装備に生活ゴミと人糞!!下ろす余力がないことが最大の要因だけど、最近はゴミ持ち帰ったら返金されるデポジットがあったり、ゴミ拾いだけの遠征などもあるようです。それでもゴミが増えるスピードの方が早い。同様に死体も回収がほぼ自殺行為のためそのままにされる。死体を回収するために生きてる人が死ぬのは本末転倒だという共通認識があって、家族が望んでも、数百万という費用、シェルパの命のリスクなどから実現しないことが多い。ちなみに酸素が薄すぎてヘリコプターも飛べない。登山家は死んだらそのまま山で朽ち果てることを前提に登ってるんだろうな。海も山もゴミだらけ
シェルパがすごい
ヒマラヤ登山者をサポートするポーターの意味の登山用語になってるけど、本来はネパールの標高2,400mから4,300mの高地に住むの少数民族のことで、低酸素環境に適応した独自の身体能力を持っているため、登山家のサポーターとして仕事をしている人が多い。「とにかく強い」って言ってた。何十キロって荷物運んで、キャンプ設営して、まだ誰も登ってない雪の壁にロープ張ったり氷の割れ目に橋渡ししたり、命がけで道を作る人たち。カミ・リタ・シェルパは世界最多のエベレスト登頂記録保持者で31回も登ってる。一流ガイドでもこの登頂回数には及ばない。一般的なシェルパの報酬は5000〜1万ドルだとか。ネパールの平均年収1000〜1300ドルから比べたら高収入だけど、彼らがいなければエクストリーム登山成り立たないのに、命がけなのに、給料安くね?って思った。過去100年間にエベレストで亡くなった315人のうち、3分の1近くがシェルパ・ガイド。じっさいに、危険すぎて保証も薄くてやってらんねーと山の仕事をやめるシェルパも増えてるとか。死
死ぬ人が多すぎる。指がないのなんてあたりまえな印象。世界の巨壁に単独・無酸素・未踏ルートで挑みつづける山野井泰史は、奥様も登山家で足も手も指全部凍傷でなくなってた。凍死、高山病、転落、滑落、雪崩、酸素切れ、衰弱死、心筋梗塞、脳梗塞、他人の転倒に巻き込まれたり、ロープ切れたり、救助で共倒れしたり、引き返す判断ができず死んでしまったり。今読んでる「生と死のミニャ・コンガ」って本では著者の目の前で、ロープに繋がった7人が連なって滑落死。とにかく死ねる要因がありすぎる。こんなに致死率高いスポーツないってインタビューでだれかが言ってたし、山野井さんについては海外の登山家が、彼ほどの挑戦をつづけて生きているのは奇跡だと言ってた。とにかく危険すぎのに、人は山に登る。イッテQにも出てた中島健郎さんと平出和也さんの「K2西壁」のドキュメンタリー。K2は世界一むずかしい山といわれてて、その中でも岩と氷の未踏の絶壁、西壁を二人で目指したんだけど、二人とも滑落死。出発前のインタビューで中島さんが明らかに怖がってるのが分かった。家族のことを考えると涙が出ると泣いていた。もしかしたら彼はこの旅で自分が死ぬことを知っていたのかもしれないと思った。
エクストリームのエクストリーム
8000メートルを越える地帯はデスゾーンといわれる。人間が生きられない高度。酸素がなさすぎて、そこに滞在すると休んでも回復せず、脳が破壊されどんどん死に向かう場所。そこに登るだけでもありえない話なのに、単独で・酸素ボンベなしに・未踏ルートで登ろうとする。他人との競争ではなく、自分との戦いの世界。

富士山でもたっけー!って思うのに、エベレストって富士山の2.5倍くらいの高さってことでしょ?
ほんとになんなんでしょう。
「山の頂まで登ると、見たこともないような紺色の空と真っ白な雪しか見えない中、自分の心臓はバックバクでしょ。あの世界を何度も体験したくなる。」
というようなことを山野井さんが言ってたのが印象的だった。たとえば登れるはずのない山を登り切ったり、乗れるはずのない巨大な波に乗ることって、自分には太刀打ちできない荘厳な自然を前に、小さな、あまりにも小さな「自分」が完全になくなるような瞬間であり、ある意味悟りのような感覚になるんじゃないかと思った。
物質至上主義の現代社会、馬車馬のように会社で働いて、お金を儲け、家族を養い、家を買って、車を買って、たまのたのしみは旅行。ほとんどの人間はこれが生きることだと思って同じ毎日を繰り返してる。でもその「生きる」に疑問を感じ始める人もいる。じゃあ「ほんとの生きる」ってなんなんだ?山野井さんは「”山に登りたい”だけを追求してきただけだけど、わりといい人生だと思う」と言ってた。達成感や、自分の限界を超える快感、日常では感じることのできない極限状態や集中力など、エクストリームな自然と対峙する人たちが感じることを、日常で私たちが感じることは絶対にできない。そういう超人的な体感や感情はきっと「生きる」をめちゃくちゃ感じさせてくれると思うけど、でもやっぱり、死が目の前であまりにも活き活きと見えるからこそ生きていることをきっとリアルに体感できるんだと思うし、それを感じたいんじゃないかって思った。
私なんか大山阿夫利神社の登り下りだけで足ガクガクなって死にそうになってたもんで、登山のトの字も知らないレベルだけど、海のことは普通の人よりまあまあ知ってる。海はたしかにわたしに生きてるを感じさせてくれる。生産性ばかり追いかけさせられる現代社会の謎の呪縛。山登りもサーフィンも、まったく生産性はないけど、それこそが人間が生まれてきた究極の目的である。っていうティモシー・リアリー博士のことばがようやくちょっとわかってきた気がするわ。生産性なんてうんこだ。
は〜。次どのドキュメンタリー見ようかしら。読もうかしら。おすすめあったら教えて!
K2で滑落して亡くなった平出さんのこのインタビューすごかった。
https://www.1101.com/n/s/kazuya_hiraide/2021-06-04.html
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