ココナッツオイルや卵がそうだったように、飽和脂肪酸は悪であるという50年代にはじまった見当ちがいのキャンペーンのおかげで、バターも20世紀にはすっかり悪者になってしまいました。代わって低脂肪といったうたい文句ととも登場したのがにマーガリン。ところがその後、心臓病や循環器系の病気が爆発的に増えつづけているのはご存じのとおり。さすがに現在ではマーガリンにふくまれるトランス脂肪酸の危険性が注目されるようにはなりましたが。
現在では、飽和脂肪酸への誤解も徐々に解けつつありまして、バターにもひじょうに多くの栄養が含まれていることがわかってきました。ただし、その栄養がもっとも高いのは、やはり放牧でのびのびと育てられ無農薬の草を食べた牛のお乳からできるオーガニックなバターではありますが。
さて、ではバターをふたたび愛すべき点をご確認いただきましょう。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸のおかげで悪者になったバターですが、じつは飽和脂肪酸こそが栄養価のカギ。バターにふくまれる脂肪酸には善玉HDLコレステロールを増やし、心臓発作の予防やダイエットにもよいことがさまざまな研究によりわかってきたそうで、逆に、飽和脂肪酸と心臓病のリスクには関係がないこともわかっています。
ブチラート(酪酸塩)
バターには3-4%程度のブチラートという物質が含まれています。2013年におこなわれた研究によると、ブチレートには炎症をおさえる効能があり、免疫が体に有用な菌にたいして攻撃するのを防いだりしてくれます。
共役リノール酸
略してCLAと呼ばれるこちらの脂肪酸はわたしたちにとってかなり有用で、サプリメントとしても販売されているほど。肥満における体脂肪率を減らすという研究結果も。
ビタミンA
バターはビタミンやミネラル豊富、、、というわけではありませんが、ビタミンAの一種、レチノールが多くふくまれます。バター28gで、一日に必要とされるビタミンAの14%程度をとることができます。抗酸化作用にすぐれたビタミンで、目、皮膚、被膜、歯の健康をたもつのに欠かせないビタミンです。
また、ポテトやパスタといった白いでんぷん質のGI値を下げ、代謝にかかるスピードを遅くしてくれます。ポテトにバターを合わせて食べるのには意味があったんですネ。
というわけで、高脂肪の乳製品というイメージが先走ってバターを使わないようにしている方もいるかと思いますが、バターにたいするイメージがすこしは変わったのではないでしょうか。いまやバターの代わりにココナッツオイルがすっかり流行っているみたいですが、バターはどんな料理にも合うし、なんといっても味にコクが出る。いまいちど、バターをちょっと見なおしてみてはいかがでしょう。
SOURCE:The surprising health benefits of butter