【Relay-column Vol.5】Paradise by Aki Nakamori

From Yumi Tohda
Text by Aki Nakamori (Graphic Designer)
My Word: Paradise

照りつける太陽、青く澄んだ海、白い砂浜、
ヤシの木が作る木陰、ゆったりと流れる時間・・・、
誰もが一度は夢見る南の島生活。

「いつか南の島に住みたい。」
東京暮らしが10年を過ぎた頃、私も例外無くそう思っていました。

左:サーフィンイラスト
右:2011年うみがめ杯ポスターデザイン

夢は叶えるもの!
それがモットーの私は、本気で準備を開始!
(漠然と海外だと思っていたから)英語の勉強をしたり、
ネットバンキングを作ったり、ビザを申告してみたり・・・。

そんなある夏、
友達に誘われて九十九里にサーフィン体験に行く事に。
パラソルの下でお酒を飲んでる方が好きだった私は、
どちらかというと、しぶしぶ着いて行ったと言う感じ。

だから、前日は朝まで飲んでいたし、
アートをした長い爪にヒールのあるサンダルにワンピース、
メイクもして、完全に海水浴気分でした。

遠田真央&由美プロのショップのロゴデザイン

案の定、
波にぐちゃぐちゃに巻かれ、すぐに爪を折って出血。

「もうやらない!」
そう言い出すと誰もが思っていたのですが・・・

「ちょー楽しい!!絶対今日中に自分でテイクオフして立つ!!」

運動神経にはかなり自身のある私。
スポーツは何でもある程度こなせるのに、全然コツが掴めないなんて!
負けず嫌いに火がついて、誘ってくれた友達以上に、
私は一瞬にしてサーフィンの虜になったのでした。

サーフボードデザイン

その日以来、
週末飲み歩くのをやめ、爪を伸ばすのもやめ、毎週、海・海・海!
どこに行ってもサーフィンの話ばかりしていた頃、
良く聞く様になった台詞がありました。

「いつか宮崎に行ってみたい。」

始めてそれを聞いた時、すごく驚いたのを覚えてます。
あんな何も無い田舎になんで?って。

私は宮崎生まれ宮崎育ち、生粋の宮崎っこ。
だけど、海は波が高いから近づくなと言われてたし、
サーフィンをしてる人に会った事もなかったので、
自分の地元がサーファーにとって憧れの地だということを
この時まで全く知らなかったのです。

父とサーフィン

それから約1年半後。

青く澄んだ海、白い砂浜、ゆったりと流れる時間の中で、
家族や仲間と波乗りを楽しむ・・・。

私は夢に見ていた生活を手に入れました。
憧れの地はすぐそこにあったのです。

そう、ここは、サーフパラダイス、地元・宮崎!

宮崎に生まれた事に感謝!
地元の素晴らしさに気付かせてくれたサーフィンに感謝!

Profile
中森亜紀(なかもりあき)
宮崎県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業後、約10年東京を中心にフリーランスデザイナーとして活動。現在は宮崎へ拠点を移し、デザイン事務所AKIFILE.com内にアートスクール・ロカートを設立。サーフィン暦は3年目。ショートもロングもやります!
中森亜紀デザイン事務所AKIFILE.com
デザインアートスクール・ロカート(http://locart.akifile.com/