今、次のSurfer’s Journalの翻訳がようやくひと段落ついたんですけど、フランスのサーフィン事情の記事でした。で、読んでたら、なんだかホント素敵な感じで、20歳で日本を飛び出して住んでいたヨーロッパの事、特にスペインに住んでいたころのことを思い出した。
私が住んでいたのはEl Puerto de Santa Mariaという大西洋に面した小さな小さな町。ドイツに住んだ後スペインへ行ったんですけど、ドイツへと旅立つ前にハワイでサーフィンを覚えてしまった私は、ヨーロッパでどうしてもサーフィンがしたくて、家に置いてあったボディボードとフィンを親にスペインまで送ってもらいました。地中海に波がなさそうというのはなんとなくカンでわかっていたので、こんなポルトガル国境付近の大西洋に面した町を選びました。
スペインに到着したのがたぶん真夏。電車を降りたった時、あまりの熱気に喉をやけどするんじゃないかと思うほど暑かったのを覚えてます。スペイン語の学校に行ってたんだけど、学校は昼で終わるので、終わったら毎日ビーチ。日が長いので9時前までビーチで遊ぶ。でも波はない。湘南の夏みたいな感じです。
ネットで見覚えのある景色はないかと探してみたんですが、確かにこんな感じの港町でした。港にある魚屋さん?では、イカとかエビのフライしたやつがどっさり売られてて、超おいしかったのを覚えてます。
町はどこもこんな感じの路地で、住んでた家もこんな路地にあったわ。ゴキゲンなスペイン人のファミリーに家を借りてたんですが、どの家も家の真ん中が庭?ポーチ?みたいになってるんですよ。かなり広い家でした。そこに住んでる息子がイケメンで、勝手に王子様って呼んでたんですが、これまたブサイクな彼女を連れてるんです。でもまたその彼女が死ぬほど良いヤツなわけです。
休みの日には、王子様が森でBBQ、じゃなくて、パエリアするからと誘ってくれます。王子様の友達と、直径1メートル以上あるパエリア用のフライパンと材料を持って森に行くと、BBQコンロみたいに、パエリア用のコンロが置いてあった。そこで皆でパエリア大会。あ~なんて素敵な毎日。
夜は夏の間ビーチに出現するバーへ繰り出します。日本の海の家と一緒ですね。でももっとオシャレな感じでしたよ。バーに行くまでに一人でココナッツのリキュールMALIBUをストレートでボトルからがぶ飲み。ビーチバーで更に浴びるほど酒を飲み、そのままビーチで気絶したこともありました。朝6時ごろ、友達が、帰るからとわたしを起こした瞬間に、顔にあいてる穴という穴からココナッツが噴出。そのまま動けなくなった私を、心優しい現地人のメンズ二人が介抱してやるからうちに来なさいと。意識朦朧としたままその見知らぬメンズのお家へ行って、本気で元気になるまで介抱してもらった思い出。っていうか、ホント、よく今まで殺されず生きてきたもんだと思います。何も考えてませんでした。
アンダルシア地方は独特のなまりがあって、”S”を発音しません。近所の八百屋で、卵がほしくて、「Quiero dos huevos」キエロ ドス ウエボス、つまり、たまご二つちょうだいな。って言ったら、八百屋の爺ちゃんに、「おいおい、中国人のおねえちゃんよ、ドスウエボスではない!ドウエボ!!も一回言ってみな!」って変な発音に直されたり。
日が長いのでその分夜も遅い。スペイン人の晩御飯はホントに10時とか11時。で、あんまり食べません。暑いから皆ずっと道端にテーブル出して遊んでます。お爺ちゃんも、お姉ちゃんも、お母さんも子供も。お酒飲みながら、オムレツ食べながらずっと遊んでる。夜遊びに行こうと1時ごろに街中を歩いても、普通に子供がサッカーボールで遊んでた。
バーに行けば、ナンパの嵐。と言っても、女の子がやたらナンパしてきます。スペイン人は特別フレンドリーですが、女の子が特にスペシャルかわいくてフレンドリー。ホントに、夜のバーとかクラブでたくさん現地の女の子と友達になって、滞在中ずっと遊んでもらってました。あの子たち元気かな。名前も思い出せないからFacebookで探すのも無理ですけど。
スペイン滞在期間は半年だったので、帰るころにはすっかり秋めいていました。ビーチに来る人もまばらで、でも、どうしても海を毎日みたかったので一人でバスに乗ってビーチまで行ってました。そうそう、ビーチまでバスでした。ある日、ビーチに行くバスの中がボディボードとサーフボードを持ったサーファーでいっぱいでした。何事?!と思ってビーチに到着したら、それまで見たことない波が立ってた。どこからともなくサーファーが現れてサーフィンしてたのを見て感激したのを覚えてます。その頃には水が超冷たくてウェットスーツがなければ入れないくらいだったから私は見てるだけだったんですけど、あれをみて、あーやっぱりあたしハワイへ行こう!って決めたのを覚えてます。
というわけで、スペインの思い出。なんて素敵な思い出。死ぬまでにもう一度行きたいなー。