ほんやくってむずかし~








私のもひとつのお仕事、翻訳。
何の仕事してんの?って聞かれると困ります。
もはやいわゆる何でも屋ですね。

今、The Surfer’s Journalって言う素晴らしい雑誌の翻訳に関わらせて頂いています。
昔から、この雑誌の日本語版が出たら絶対翻訳したい!
と思っていた正にその雑誌を、実際翻訳させてもらえると言うこの幸運。
私ってやっぱり常にラッキーガール。

文章を書くことも好きなので、翻訳は苦にならないナズナんですが、
これが、自分の頭に思い浮かんだことをそのまま日本語で書くのと、
外人が、その人のテンションを詰め込んで書いた英語を
そのテンションを保ったまま日本語にするのには大きな違いがあります。

外人の、そのテンションを保ったまま日本語に。
それが、翻訳家としての仕事なはずなんですが、
これが最強に難しいわけです。
特にサーフィン雑誌の翻訳って難しい。
日本語には、話し言葉書き言葉が明確に分かれていますが、
英語にも、もちろんそれはありますけど、日本語ほど厳密じゃない。

ので、外人がしゃべっている文章、例えば、
”He’s a super good surfer!”
を、日本語でしゃべってる風な翻訳文にするとなると、
だいたい、「あいつは最高のサーファーさ!」
ってな感じになるわけですが、
そんな日本語しゃべる日本人などいないわけです。
「~さ。」
そんなしゃべり方するの、
ちびまるこちゃんの花輪くん位なもんです。

これを、その辺の日本人サーファーの言葉に直すとすれば、
「あいつはサーフィンめちゃめちゃうめ~よ!」
そんな感じだと思うんですけど、(関東限定ですね)
誰かに読んでいただく文章として、
「めちゃめちゃ」

「うめ~!」
も書き言葉として成り立ちそうで成り立たない。

外人の、あのニュアンスを、
日本語の書き言葉で表現するのってホントに難しいのです。
これが、私の翻訳ジレンマ。

The Surfer’s Journalの最新号、そろそろお届けされるハズですが、
毎号、あー。今回も、見直し足りてない。って感じです。
今号は、確か、Ozzie Wrightのストーリーを翻訳させてもらいました。
が、Ozzieのあのゆるいけど、ちょっとおかしな感じを日本語で表しきれてないね。

待望の日本語版発売からもうすぐ一年。
まだ手に取ったことがないならば是非。
内容の面白さと斬新さ
インテリアの一部としての装丁の美しさ、
写真の素晴らしさ。
サーフ雑誌、というカテゴリではなく、もはや本。
伝えたいことを伝えるというスタンスは、
こんなお気楽ウェブメディアでも、
やってる私としては心から見習いたい雑誌なのです。