オーガニックより、ウソつかない製品作り








お腹の調子は戻りつつあるけど、まだだな。パセリの整腸作用がすごいということで、知り合いがパセリたくさんくれたのでおやつはパセリだ。首は調子がいい。夢の医者のおかげか、レメディのおかげか、ほぼ違和感なくなってきてる。このまま完治してくれることを祈るばかり。

さて、バリにはサボる実験しにきたのに、けっこう働いてる。けっきょく働かされる流れになった。出会いが出会いを呼んでしまい、次の展示会のために急遽SURFYOGISブランドのサンプルをいろいろ作りまくってます。

アパレルラインを展開するにあたって、ヨギ先生がこだわっていたのは、できるだけ環境に負荷をあたえないというコンセプトでした。そこで、まずは素材探しから始まり、つぎにナチュラルな染料です。これがどちらもむずかしい。

まず、素材自体の選択肢があまりない。オーガニック認証のある素材がとても少ない。結局、認証がなくてもオーガニックだと言い張ることはできるし、認証なし、自称オーガニックで以外と安価な製品も出回ってるけど、それが本当にオーガニックなのかどうかなんてだれにもわからない。
本当にオーガニックな素材は、ここインドネシアでもびっくりするほど高い。

そして染料。オーガニック素材がもてはやされているけど、たぶん今オーガニックとして市場に出回っている物のほとんどが、化学染料で染められたものだと思う。ケミカル染めをするさいに、繊維自体に化学的変化が出なければ、オーガニックと謳える的な世界だ。そして、色落ち、製品の均一化を図るには、ケミカル染めがもっとも安定した製品を供給できる選択となるので、素材はオーガニックだけど、染めはケミカルっていうのがほとんどじゃないかと思う。

そこで、とりあえず、ナチュラルな染めはできないものかと考えていたら、ここでバリマジック発動。草木染めをやっている人と知り合うことができた。彼女もケミカル染めの行程を見て以来、なんとかナチュラルに染められないものかと、バリ中を探しまわって、ようやく出会ったのが、今やってもらっている草木染め工場。工場といっても地元のファミリーが、ひとつひとつ手作業で、お家工場で染めてるそうです。

草木染めはうつくしい。けど、色落ちするし、まったく同じものを作ることがむずかしい。でも、それが味になるともいえる。そして、これまた高い!染め代はケミカル染めの10倍くらいになることもある。

今回、イチから製品づくりをやってみて何がよかったかって、これがわかったことだ。繊維業界でもやはり「オーガニック」は言葉が一人歩きしてる。メーカーは、いい部分だけを謳う。消費者はそれを信じる。当然の流れだけど、わたしはもっと透明性を持たせてもいいんじゃないかと思う。

本当にオーガニックな素材を使って、ナチュラルに染めると、よっぽど大量生産しないかぎり、メンズTシャツ一枚で一万円弱な価格になってしまう。それを、日本のサーファーが買ってくれるかどうかってところだけど、ほとんど買わないと思う。いろいろ考えた結果、どちらも作ってみようと思ってる。結局、わたしたちは利便性の世話になりっぱなしだし、そこを100パーセント断ち切って、急に完璧なカットバックするのはむずかしい。メーカーとしてうつくしいカットバックを決めることはできるけど、共感してくれる人がいなければ孤独なダンスで終わってしまう。つまり、だれも買ってくれなきゃ商売にならないわけですわ。

作ってくれてる人たちともいろいろ話してみて、できるところから変えて行けばいいというスタンスでやっていこうと思ってる。そして、どの製品がどういう行程で作られたものかに透明性さえあれば、あとは買ってくれる人の意識と選択次第かと。

ケミカルゼロなんて、今の所けっこう遥か彼方の理想郷でしかないんだし、ウソつく必要はない。できるだけ環境負荷を減らして、最終的にゼロな理想郷を実現できたら最高だ。でも、やっぱり何かを生み出す過程で地球に影響を与えているという感覚はとても重たい。

ただ、きっと着たときのバイブスはまったくちがうハズなんだよね。つまり、そのバイブスに数千円支払いたいかどうかってとこだ。