健康を求めてヘルシーな食生活を送っているつもりが、追求しすぎて、ヘルシーの意味がすっかり歪められてしまった人も多い。なにをどのように食べるか、ストイックなまでに気をつけているのに、それでも自分の体形が嫌いだったり自信が持てなかったりする人がいる。
メディアや食品メーカーの宣伝広告によって間違った情報を与えられている場合も多ければ、純粋に健康的な食を研究、教育する人たちの中にも間違った情報が広まってしまうことがあり、そういった情報は、健康を促進するどころか、害してしまうことの方が多い。こちらでご紹介するのは、”惜しい”ヘルシー志向な考え方。
1.知的ベジタリアン
野菜と果物ベースの食生活が健康的なのは間違いないが、肉を全く食べないベジタリアンに問題がないわけではない。もし、ベジタリアンなのに、たまに肉を食べたくなるのを我慢しているなら、体の声に忠実に従うべき。質のよいオーガニックな肉は、人によってはまったく食べないより体によい場合もある。
2.脂肪恐怖症
飽和脂肪の取りすぎは間違いなくコレステロール値を上げたりといった、健康上の問題につながることが多いが、健康維持のために必要な油分というものがある。たとえば、「ローファット」を謳う食品には代わりに、風味のなさを隠すために砂糖がたくさん使われていることも多く、それは大量の脂肪と同じくらい体によくないものだ。
3.ヘルシージャンクフード
体に悪いものは食べたくないけど、自炊する時間などないという理由から、オーガニックな箱入り加工食品ばかりを食べている人がいる。もちろん、添加物&遺伝子組み換えまみれの加工食品に比べたら体によいわけではあるが、新鮮な食材の代わりにはなり得ない。
4.カロリー計算病
カロリーというのは、食の指針として完全に間違った使われ方をしている。もし、新鮮な野菜や果物などといったホールフードを主に食べているならば、カロリーというのはまったく無意味なものである。食に関して大切なのは、量ではなくてその質である。同じ500カロリーでも、加工食品で500カロリーと、野菜果物での500カロリーでは意味がまったく違うのだ。
5.オーソレクシア
不健康なものが食べられないという新しい摂食障害の名称だが、100%オーガニックなスーパーフードしか食べることができないといった極端な人が増えている。体にとってはよいかもしれないが、つねにオーガニックでなければならないといった強迫観念めいた思いは健康的だとは言いがたい。友人などと外食するのも難しくなるし、食べることを楽しむことができなくなってしまっては元も子もない。
自分の食生活が健康的かどうかの見分け方、それは自分の体の声に耳を傾けるのが一番早い。自分が食べていて心地よいかどうか。飽食の時代ももはや飽和状態。食について考えさせられることも多いが、これも今や安全で安心して食べられる食材が意外と少ないという現実がもたらした矛盾なのかもしれない。