遺伝子組み換えって何!

Report By Beach Press編集部
ここで以前食費添加物について取り上げましたが、みなさんはお買い物するときに、原材料名チェックしますか?もはや原材料名をチェックせずに買い物なんてできなくなってしまった私ですが、気にしすぎると、その辺のスーパーで売っているものなどほとんど買えなくなってしまいます。添加物の記事でもとりあげた目安と共に、とにかく、原材料が出来るだけシンプルなものを購入するようにしています。どれだけおいしそうなデザートも、ただのプリンのはずなのに、ラベルに見るのも疲れるほどの材料が記載されているものは絶対に買いません。

そんな原材料マニアが気になるのは、あの一言。

「遺伝子組み換えでない」

非遺伝子組み換え、とかの方が分かりやすいのに。と思うのは私だけでしょうか。あの尻切れトンボ感マンタンな注意書き。遺伝子組み換えしてません、とわざわざ書いてあるのだから、こりゃ大丈夫なんだろう、という事がわかるけれど、じゃあ、遺伝子組み換えっていったい何で、そして、遺伝子組み換えてあるものにはちゃんと表示されてるのか?と言うところをご存知ない方もいらっしゃるのではないかと思い、今回は遺伝子組み換え基礎編です。

■遺伝子組み換え食品とは何か

日本に初めて遺伝子組み換え食品が登場したのは1996年だそうです。が、表示義務化案がまとまったのが1999年。そして、2001年にようやく30品目に限って表示が義務付けられるようになりました。

植物、動物を問わず、生物はDNAという遺伝物質により、その特性が決められ、親から子へと受け継がれていく、、、という事くらい中学だか高校で習った記憶はあるはず。そのDNAが持っている遺伝情報の一部を取り出して、別のDNAに人工的に組み込むのが遺伝子組み換えです。

遺伝子組み換えがこんなに広く行われる前から、人類は自然現象としての遺伝子組み換えを行ってきています。いわゆる、交配です。しかし、交配では生物の「種」の壁を超えることは出来なかった。つまり、チワワとダックスフンドの交配は出来るけど、チワワと三毛猫の交配はできない。その壁を越えることを可能にしたのが遺伝子組み換えで、結果品種改良の期間が大幅に短縮され、その幅は広がりました。
日本で承認されている食品には、大豆、菜種、ジャガイモ、トウモロコシなどがありますが、いずれも、除草剤の影響を受けない、とか、害虫に強い、日持ちが良い、という特性をDNAに持たせてあるそうです。

■安全なのか

遺伝子組み換えを容認している国や企業の考え方の元になっているのが「実質同等性」。これはつまり、組み替えられた生物が、姿、形、主要な成分に変化がなければ、細かい成分や中長期の毒性試験は行わなくて良いとするもの。これはあまりにも企業寄りの考え方だという批判の声が増えてきたため、安全性についての議論が開始されましたが、結局、日本では現在も、第三者のチェックはなく、業者の任意のチェックのみ、というあいまいなガイドラインに基づいて市場に出回っています。

■遺伝子組み換えのメリット

1.除草剤や害虫に対する耐性を向上させることで農薬をまく回数を減らし、生産コストを下げる。

2.栄養成分に富む農作物、日持ちの良い野菜、アレルギー原因物質を除いた食品の生産が可能

3.農作物の育成に向かない環境下でも育つ強い農作物を開発出来る。
などが、推進派の主張する主なメリット。

■遺伝子組み換えのデメリット

DNAから情報を切り取ったり、合成は出来るようになりましたが、そのあとの組み込み作業は、生物任せ。偶然に頼っているため、同じ作物と同じ遺伝子セットを使っても同じものは作れない。つまり、再現性がない。まだまだ未発達の技術です。

未発達の技術で、たとえばとんでもない遺伝子をもった作物が出来上がったとして、それが一度環境に放出されれば、生物として増殖を続ける可能性があり、制御することができない

イギリスでは、遺伝子組み換えされたジャガイモを与えたラットが発育不全になったり、免疫低下がみられた、という研究結果が報告されています。このほかにも、様々な研究が、遺伝子組み換え作物による弊害を報告しています。

安全審査は企業の任意審査があるのみで、結局、法的な強制力はなく、しかも、組み換えされた作物そのものの摂取試験などは実質免除。急性毒性試験はあるものの、長期、慢性的毒性についての試験はない。

■日本での表示義務

次の3とおりの表示方法が定められています。

(1)「遺伝子組換え」(義務表示)

(2)「遺伝子組換え不分別」(義務表示)
生産流通の段階で遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産物の分別が実施されていないため、組換え原料が含まれる可能性が高いという意味です。

(3)「遺伝子組換えでない」(任意表示)
分別生産流通管理が適切に行われている場合には、大豆ととうもろこしについては、5%以内の意図せざる混入があっても「遺伝子組換えでない」と表示することができます。
つまり、超適当な感じ。なわけです。

私的に簡単にまとめますと、
「遺伝子組み換えとは、人間の都合の良い作物を作るための未発達の技術で、おかしなDNAを持った作物が生まれ、制御不能になって生物界に大きなダメージを与える可能性もあるのに、抜け道だらけの適当な法律で、やろうと思えば全然適当な感じで作れちゃう、そんな作物。」
という事でしょうか。

原材料:とうもろこし!
って感じで、何の表示もないものもありますが、つまり、あれは、多分遺伝子組み換えとうもろこし入っちゃってるけど、5%以下だからOKでしょ!っていう表示だと思います。

というわけで、私の基準は、任意でちゃんと「遺伝子組み換えでない」と表示してある食品を買うこと。その主張位信じても大丈夫な世の中であってほしいものだと思います。
もっと知りたい方はこちらもどうぞ。

>>>続・遺伝子組み換えについて
https://beach-press.com/beachtalk/6083/
参考サイト
上越環境科学センター http://www.jo-kan.or.jp/mamechishiki/idensi.html
遺伝子組み換え入門 http://www.gmo-iranai.org/gmguide/gmguide.htm
徳島県 http://www.pref.tokushima.jp/faq/docs/00009546/?s_category1_id=1&s_category2_id=10&s_category3_id=59&fm=t