1週間つづいた筋肉痛がようやく消えました。こんぬつわ。いつもの2倍くらいあるけど、わたしの山に恋しちゃった話読んでください。
すべての始まりは、暇人クラブ活動の一環である「ヒマつぶし」で見たアニメ「神々の山嶺」。エベレストを舞台にした登山アニメで、これ見て(え。山ってこんなやべーの?)ってなって、そこから山ノンフィンクション本、山ドキュメンタリーにどハマり。ここ数年は森や1000メートル以下の低山にもよく出かけるようになって、海とはまったく違う山のあの空気感を定期的に感じたくなるのだけど、このたび初めて山らしい山登ってきたのが忘れられない体験だったので記録しとく。ひとことでいえば山に恋しちゃいました。
坐禅の師匠宗貫さんが、長野坐禅合宿ついでに、やまーやまーゆうてるわたしに「山登る?」って誘ってくれて、当然のぼると即答。山用具ゼロからのスタート。Xero shoesのトレイル草履しか持ってない。とりあえず、雨具、登山靴、バックパック買った。登山靴ってカッチカチで、履いただけで痛くて、みんなこんなの履いて登ってんの?!って衝撃だったんだけど、最終的に足首わりと柔らかめの軽いやつみつけた。わたしはなんでも見た目から入ってしまうのだけど、店員さんに、山だけは我慢してといわれたわ(笑)。
この度登ることになったのは燕岳(つばくろだけ)。登山入門にはもってこいで、とにかく景色がすばらしいって前情報だけ、あとは上げ膳据え膳で引率の宗貫さんにお任せで、山はナメたらすぐ死ねることはさまざまな情報で知っているものの、山〜たのしそ〜。だけでスタートした初登山。左の写真は緑生い茂る晩夏の涼しい入口付近でまだまだよゆーこいてた時だ。暑すぎて半袖脱いでタンクトップ。そんなやつはわたししかいなかった(笑)。
登山口があるのは標高1400メートルくらいなので、山頂まで1300メートルくらいを登るんだが、最初からずっと登り。そりゃあ山登るんだから登りで当然なんだけど、歩いても歩いてもずっと登り。杖あったからまだマシだけど、とにかくずっと登りで岩だらけの木の根だらけ。いやしかし杖あってほんとよかった。杖さいこー。
それでもまだ周りの景色をたのしむ余裕もある。ここはきのこパラダイス。食べたらぶっ飛べそうな変なキノコがいっぱい生えていて、いちいち写真撮るよゆーもある。

妖精住んでる?
けど、道はどんどん岩だらけになり、ネバーエンディング登りに息も上がり口数も減ってきた頃、とうとう雲と同じ高さまでやってきた。

どうやってもじっさいのスケール感は伝わらない。
ここは、北アルプス三大急登といわれる合戦尾根という登りがあるんだけど、ネバーエンディング登りすぎて、どこが急登なのかわたしにはわからなかったw 全部が全部急登だった。足ぱんぱん、息も絶え絶え。でもあと少しで合戦小屋ってとこで休憩できる上に、スイカが売ってるらしい。もうそれだけをたのしみに、一歩10センチくらいずつ進めた。

スイカがおいしすぎて泣きそうになっているw
もう2度と歩きたくないレベルで信じられないほど疲れてる。そんな絶妙なタイミングで現れるのが合戦小屋だった。豚汁食べてから、念願のスイカにかぶりついたら、衝撃的においしいスイカだった。世界一おいすかった!マジでおいすかった!!w
休憩して豚汁と世界一おいすうスイカたべたらちょっと元気もどって、再び登り始めた。とにかくガレキ道。そして、上に行くほど木が低くなっていくので太陽がギンギラギンだ。

ずっと岩だらけの登り。バックパックこんなにはだけてる人いない。この方がラクだったんだけど、バランス崩すからやっちゃあかんことが降りで分かった。笑。
すぐに疲れて休憩しまくるので色んな人に抜かれる。というか、抜いてもらう。だいぶと上まで登ったところで、おじさん二人とすれ違ったら、ちょっと前に私たちを抜いてった人たちだった。
「このへんに住んでるからここはもう散歩みたいなもんなのよ〜。」
って笑顔でたったかたーっと降っていったけど、後々あのおっさん二人は只者ではないとしみじみ感じることになる。
まだ歩くの?
まだつかないの?
もう歩けない。
むり。
しんどい。
はーーーー。
つかれた。
死ぬ。
しか口から出てこないんだけど、脚パンパンに反比例して景色はどんどんすばらしくなっていく。そして、降ってくる人たちの
「もうちょっとですよ!ご褒美待ってるからがんばって!」
に、がんばる。
山の上の方はカッサカサだ。低木とジャリジャリの砂みたいな地面。登るほどに生命の気配が消えていく。
そして、まだなの?まだなの?まだなのーーーー?!って言いながら6時間超えで、ようやく燕山荘(えんざんそう)って山小屋ある場所に着いた!!小屋っていうから小屋イメージしてたらめっちゃ立派な小屋だった。こんな山の上にどうやって建てたんだとあとで調べたら、資材はヘリで運ぶらしい。そりゃそうだ。しかし山道やら階段やらの整備は人力らしい。すごすぎる。一泊して翌朝頂上アタックだ。(←山用語だけはムダによく知ってるw)
山の天気は秒単位で変わっていく。晴れていたと思ったらいきなり雲が広がって風吹き雨降る。だからヒマラヤとかではいきなり暴風雪ふいて凍えて死んだりするわけだ。私たちが着いた時も急に雨風強まったのに、夕焼け時にはいきなりこんな景色見せてくれた。写真に収めてみたけど、わたしが見たスケールは絶対に伝わらない。

そして夜はきれいな星空も見れた!


雲海!
朝起きたらパンッパンだった脚は多少マシになっていた。とりあえず頂上アタックだ。燕岳は不思議な場所だった。山なのに海みたいなんだ。砂のようなジャリジャリの土に、不思議な岩がニョキニョキ生えてる。その岩のひとつが有名なイルカ岩。
わたしはブレスワークの変性意識状態で、イルカだった過去生を思い出したことがある。山は何万年もかけて大陸がぶつかって隆起してできるというけど、ここはほんとにかつてイルカが住んでた海だったのかもしれないって思った。
裸の砂地を30分くらい歩いたら頂上ついた。これ以上高いところがない頂上からの景色は行った人にしかわからない。
するとまた急に雲が広がってきた。せっかくの景色が見えなくなる〜。って思っていたら、あれ?虹出てる?!七色の光がうっすら見えてきて、ブロッケン現象いただき大こーふんした。自然からのご褒美!

この日は登山客だらけだったんだけど、山頂付近で360度山と空しか見えないパノラマビューをひたすら眺めていたら、時折、山を行き交う人がとだえる瞬間があって。人の声や砂利を歩く音が聞こえなくなったとたん、しーーーーーーーんと静まり返る中、今まで聞こえてこなかった鳥の会話が聞こえてきた。
それは、マジで見渡すかぎりの山の超右端と超左端から聞こえてくる。ぴよぴよ。っていうと、はるか彼方の反対の山から、ぴよ〜〜〜って聞こえてくる。完全に交信してるやんと思った。さえぎるものがなくて、人間の出す音が聞こえないとあんな遠くの音がちゃんと聞こえるんだ。こんな世界が広がってるんだ。って、なんだかほんと、神様にだいぶ近くなった気がした。
さて。バックパック預けてある小屋まで戻ったら降りです。イメージ的には降りの方が楽なんだよ。イメージでは圧倒的に。そしてじっさい最初の1時間くらいは降りの方が楽なんだ。降り始めると、何時間も登ってへっとへとになった人とすれ違う。そんな人たちに、「もうすぐですよ〜!」って声がけできるくらいのよゆーはある。けど、そんなよゆーはあっという間に消えてった。
やっぱ降りがやばいんだ。ヒマラヤでもみんな降りで死ぬのがよくわかる!(←全然分かってない!w)前日の疲れは取れきってない上に、足がガックガクになっていく。杖駆使してももームリだ。膝も痛けりゃ足首もつま先も痛い。靴紐の前をしっかり締めて足が前にズレないようにしなさいといわれたが、締めてるところがバリ痛いので緩めたらつま先がバリ痛い。そして全脚ガックガクなのですっ転びそうになる。いや、だからきっとヒマラヤで滑落するんだと思った。平らな道でもしんどいのに、岩だらけなんだ。転げ落ちたら終わりだよ。
登りは息が切れている疲れなので、少し休憩すれば復活して歩き出せる。でも下の疲れは息切れじゃなくて、休憩しても取れない足のガックガクと痛みなんだ。だから降り切るまで一生痛い。拷問かこれ。しかも北アルプス三大急登(降)なんだよ。急な段差まみれで、踏み出すたびに足全部痛い。マウンテンバイク渓谷ツアーに連れてってくれるMO3 STOREの店主が「笑顔で登ると全然楽になる!」と言ってたのを思い出して、笑顔にしてみるが、宗貫さんに「目が死んでるw」といわれた。
足痛すぎて超ゆっくりしか進めないので次から次へと降りてくる人に抜いてもらうんだが、健脚の爺婆がいっぱいいるんだよ。きっといろんな山登って慣れてるんだと思うけど、あっという間にわたしを抜いていって姿が見えなくなる。すごすぎるw ひとりでテント持って登山してる人女性が多いのにも驚いた。まあわたしが一人でサーフィン行くのとおなじ感覚なのかもしれないが。ハマるとそうなっていくんだろう。
あと、20代くらいの若者男組がめちゃくちゃ多い。だいたい三人グループだ。コミュ力おばけの宗貫さんはすぐ誰でも話しかけるんだけど、3〜4組、そんな若者グループに話を聞いたところ、全員が全員おなじことを言っていた。どうやらTik Tokやインスタで登山動画が流行っているらしい。
「自然界隈ってのが流行ってるんすよ〜。けっこうみんな山行ってますよ。自然が流行ってるんです」
“しぜんかいわい”が流行ってるらしい。なんてこった。すばらしいではないか。そして宗貫さんが色んな人と話す間、わたしは休憩できてうれしい。横で死んだ魚みたいな目してしばしの休憩を堪能したら、また歩き始める。階段が出てくると恐怖でしかない。階段が嫌いすぎて2度と階段を降りたくない病にかかってしまった。
帰りは写真撮るよゆーなどまったくなかった。本気でムリだった。こんなしんどい思いしたの初めてだわ。でも一歩一歩進めるとちゃんと目的地に辿り着く。ガイドマップには3.5時間くらいと書いてあった降りを5.5時間くらいかけて降りた。ようやく平坦なアスファルトが出てきたけど、アスファルトも恐怖の下り坂。車までの道が遠すぎる。健脚の男性が「こんにちはー」と早足で通り過ぎていった。
とその時。あれ?あの人もしかして茅ヶ崎から長野に引っ越した友だちじゃねえか?と思った。こんにちはの声に完全に聞き覚えがあった。あまりにも早足で追いつけなかった。すると数分後、車の音が聞こえてきた。宗貫さんが、「あ、さっきの人ちゃうかな?」というので通り過ぎる車の中をのぞいたら、まちがいなく友だちだった!杖振ってみたけど、気づかずに通り過ぎてった。気づいてもらえれば車まで乗せてってもらえたのに。笑。ちゃーりーさん、話すの忘れてたけど、あの時あなたいたよね?地獄の降りをなんとかフィニッシュして、帰りに入った温泉で、最後に温泉入れない登山はムリだと思った。
家に帰った次の日の朝。起きようとしたら起きれない。脚がキョーレツな筋肉痛で起き上がれない。前モモとふくらはぎが激痛い。波あったけどサーフィンなんて100%ムリだった。それから筋肉痛は1週間つづいた。でも、あんなに辛くて痛かったのに、あの日から毎日山の上で聞いた鳥の声を思い出しては、もう山に行きたいと思ってる。あの山の上の世界はあそこに行かないと感じられない。下界に降りた帰りの電車。駅の売店で人工物に囲まれながら、(わたしがいたいのはここじゃねえーーーー。なんだこれわ!!)と圧倒的な違和感につつまれていた。
おりしも、Netflixで見たネパールのすんごい登山家ニルマル・プルジャがブロードピークで遭難死したニュースを見たところだったんだけど、デスゾーン、つまり、死の世界といわれる8000メートルを超える山になぜ登るのかなんて、普通の人は理解できない。たとえばブロードピークは致死率38%。四人に一人死ぬ。そんなところになぜわざわざ行くんだよってわたしも不思議で仕方なかったんだけど、ある登山家が言ってたんだわ。「真っ白い雪の世界で、見たことのない色の濃い青い空をまた見たくなるから」って。わたしが見た鳥のオーケストラの世界とはスケールは違えど、感じることは一緒なんじゃないかと思う。
そんなわたしは帰ってきてからずっと東野登山隊見てる。ヒマラヤのドキュメンタリーはあまりにも現実味がないけど、東野登山隊は自分に置き換えができるのでめちゃおもしろい。笑いあり涙あり、だけどガチですごい山登ってる。そして、登る度におっさんたちが自然のうつくしさに圧倒されていくのがおもしろい。品川庄司の庄司は山頂の絶景見て「自然がきれいすぎて涙出る」って泣いてた。そういうことなんだよ。山に行きたくなる理由って。
めちゃくちゃしんどい思いして登って、ストレスホルモンまみれになった挙句、登頂できた達成感でドーパミン放出されて、さらに景色で幸せホルモン大放出。サーフィンで感じる爽快感と山の気持ちよさはまったく別物だけど、結局海も山もホルモン中毒なんだよなー。わたしは両方ほしいね。完全に山にフォーリンラブですわ。とりあえず去年の秋断念した大山の山頂までまず行きたいわ!
は〜。ほんとにたのしかった!けど、やっぱ普段運動してないとムリやわ。わりと運動してる方なはずだけど、山は別もんだわ。山登ろうって気軽に誘えないわ。ジム入ってひたすら登るマシーンやろかなw。
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